『花の翼に乗せて』春編

春編は、アネモネ、バラ、菜の花、チューリップなど、花がテーマの童話です。花達からは多くの教訓を学べるのです。ガーデニングの好きな方ならきっと同意されるに違いありませんね。では、花達の悩み、つぶやき、ジレンマ、悲しみに耳を傾けてみてください。

春編の目次

第一話 アネモネと原っぱの仲間達
第二話 バラのひとり言
第三話 菜の花・・春のジレンマ
第四話 チューリップからのお願い

春編の抜粋

第一話 アネモネと原っぱの仲間達

今年も春が近づきました。 原っぱで、まだ地面にくっついている 蕾(つぼみ)のアネモネは 顔を土に埋めたままで悩んでいます。 この原っぱでアネモネより上品で 華麗な草花はいません。 地中海沿岸生まれで、 聖書の中でイエス様に美しい姿が褒(ほ)められ 足元で揺れて見せたという有名な花なのです。 どの草花からも尊敬され続けてきました。 「風」という意味のギリシャ語からきた アネモネという名前も、 そよそよ揺れたときの気品さえ思わせます。 でもアネモネにはどうにもならない 悩みがあったのでした ・・・・・・・[⇒立ち読み]

第二話 バラのひとり言

私、ピンクのバラの花。 この花壇には一年前に来たばかり。 優しいママと別れて、独りでここに移されたの。 ようやくこの春、蕾がついて先週咲いたの。 そうねェ、 人間で言えば私は十六才から十八才位。 ママといた頃、まだ小さ過ぎて 理解できない事ばかりだった。 「ねェママ、どうして私達バラ一族には、 とげがあるの?」と、よく尋ねたわ。 ママの答えはいつも同じ ・・・・・・・[⇒立ち読み]

第三話 菜の花・・春のジレンマ

隣の青ネギさんが 菜の花にさみしそうに囁きます。 「菜の花さん、あなたは私の仲間ですね」。 斜め上から赤い椿さんも 負けずに囁きます。 「菜の花さん、あなたは私の仲間ですよね」。 ネギさんと椿さんは、ちょっぴり冷たい関係なのです。 早春の空の下、 ふっくら蕾の菜の花は答えに戸惑います。 いつものようにこの春も思いっきり花開き、 お日様色の輝く衣で段々畑を 覆(おおう)うはずだったのに・・。 『私は花なの?野菜なの?』と悩んでいます。 ・・・・・・・[⇒立ち読み]

第四話 チューリップからのお願い

春の小さな児童公園、 ぶらんこが三台しかないけれど ママと子供には人気なのです。 お手々つないでやって来て待ちに待った、 おんもで遊ぶのです。 そして今年も花壇には、 春の息吹きチューリップがたくさん並びました。 ギーコ・ギーコ! ぶらんこ押し押しママが歌います。 「♪咲いた〜さいた〜チューリップの花が〜 並んだ〜ならんだ〜赤、白、黄色〜♪・・」。 ぶらんこの女の子も歌い出します 「♪あか〜ちぃろ〜きぃいろ〜♪」。 ・・・・・・・[⇒立ち読み]

春編の各話の内容

第一話 アネモネと原っぱの仲間達

誰でも悩みの1つぐらいはあるものですね。アネモネにも悩みがありました。アネモネはどのようにしてそれを克服できたでしょうか?

第二話 バラのひとり言

「きれいな花にはとげがある」とよく言われますね。このことわざの意味も良く理解できますよ。

第三話 菜の花・・春のジレンマ

菜の花は難しいジレンマ(板ばさみ)に直面していました。では、どのようにして解決するでしょうか。何か良い知恵はありますか?

第四話 チューリップからのお願い

何気ない言葉が人を傷つけていることがありますね。少しも悪気がないのに!チューリップさん元気を出してください。